オオバウマノスズクサ（１）

オオバウマノスズクサ　（ウマノスズクサ科）

(登録：2018.05.15）

１）　序：オオバウマノスズクサは、ウマノスズクサと違って開花から萎むまであまり形状を変えないようなので、身近に置いて観察したいと、話したところ親切な知人が苗を届けて下さいました。（2014.10.19）
　プランターに植えて育てて、良く育ちましたが、花は、なかなか咲きません。２０１７年５月に自宅で育てていらっしゃる方が、花や蕾をたくさん届けて下さいました。その方から花を咲かせるために日照が必須と教わり、略一日中、日の当たる場所にプランターを移しました。(各画像は、クリックで別枠で一回り大きく表示します）

２）花の日変化
　３輪目が、４／２６日に咲きました。
　　１日目

　　４／２１日に花が、２輪開きました。蕾が幾つか出来ています。蕾が確認できたので、２輪の内の一輪の花筒を一部切り取って内部を観察しました。

（参考：　右は、現状の全体の姿で、下は、頂いた株を植え付けたところです。）

　２輪目の内部の様子と合わせて、３輪目の咲いてから萎むまでの変化をご覧ください。右は、3輪目の初日です。２日以降は、下に並べました。３日目に花筒の先が、少し下がった感じです。４日目は元気がなくなり、６日目に萎みました。７日間はまだ花筒がついていますが、８日目に風で飛んでしまいました。

２日目	３日目	４日目
２日目	３日目	４日目
（上の3枚は、最初に咲いた２輪うちの１輪の花筒の一部を切り取って内部を観察した記録です) 　２日目は、ほとんど葯が開いていませんでしたが、３日目は少し葯が開き花粉が見え始めています。４日目で、すべての葯が開きました。葯が開くと花筒の先が下がり始めるようです。萎むまで、ウマノスズクサのように花の形の大きな変化はありませんでした。　(下は、３輪目の５日以降の観察写真です）
５日目	６日目	７日目

３）切り花　前述のように花の咲き始めから散るまであまり変化がありません。このような微妙な変化は、常に観察できる場所でなければわからないと考えました。切り花と自然状態がほぼ同じ変化をするか確認しようと同時に咲いた二輪を比較しました。結果は完全に失敗でした。
１日目	３日目	４日目
↑：株に付けたままの花　３日目には開口部の先が垂れさがって来ています。　→ 花瓶に挿していますが、開口部の先が下がりません。下は、開花５日目夕方の株に付いている花と切り花の比較です。

４）花の形
特定の環境で育っている栽培品は、植物の本来の姿を見せないことが多いと思います。各地で多数観察したいと思いますが、諸般の事情で不可能です。過去に出会った３点をご覧ください。
東京大学小石川植物園	横浜市　自生と思われる	サンプルとして頂いた蕾から萎んだ花
咲いてから２,３日経た花と思われます。	2015年に自生地と思われるところに友人に案内して頂きました。そこの代表的と思われる花です。	自宅で栽培されている方から頂いた、蕾から終わりかけた花までです。葉もいただきましたが、斑入りです。

５）花紛・子房など
昨年・今年と花のステージの異なる花を頂きました。右は、咲く寸前の蕾とその内部です。このレベルの蕾は、花の各部が、略完成していて、観察に適しています。　下左は、葯の開いている花の内部を検鏡しました。比較的きれいな花粉が並んでいます。下中は、花がしぼんで暫く経ったと思われる花の子房部の断面です。下右端は、苗を頂いた方が送って下さった果実です。果皮が少し破れて種子が見えています。
葯が開き花粉が出ている	萎んで暫く経った子房部断面	果皮の破れた果実
６）おわりに：ご覧頂き有難うございました。とりとめもない写真の羅列になりました。外観のあまり変わらない花が、どのようにしてポリネータ―招くのか？雌性期と雄性期をどのような仕組みでポリネータ―に知らせるのか？知りたいところです。何方かご存じでしたら教えて下さい。　苗を届けてくださった方、花や蕾をたくさん届けてくださった方、お礼申し上げます。有難うございました。

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